評価ツールについて

KaTid®

The Kit for assessment of Time processing (dis-)ability (KaTid®)の開発と共に、KaTid®評価ツールの信頼性・妥当性を様々な研究により検証しています。

KaTid®評価ツールは以下の物品が含まれています:
– KaTid®:フリップブックとマニュアル
– 日常生活における時間管理を把握するための質問紙:Time-S(自己評価)、Time-P(保護者評価)、Time-Proxy評価。

KaTid®評価ツールは、時間処理能力や日常の時間管理の状態を確認するために使用します。KaTid®評価ツールには、素点を換算点に変換するためのエクセルフォームが含まれています。KaTid®評価ツールの結果を他の評価結果などの情報と組み合わせることで、介入の計画とさらなる評価のための情報を得ることができます。

現在、KaTid®評価ツールは、年齢や症状に合わせて、KaTid®-Child、KaTid®-Youth、KaTid®-Adult、KaTid®-Seniorの4種類があります。KaTid®評価ツールは、KaTid®研修会参加と同時にご購入いただけます。

KaTid®評価ツールは、スウェーデン語版と英語版があります。オランダ語版と日本語版での翻訳と評価も進行中です。あなたの母国語での翻訳や評価にご興味のある方は、こちら(contact us.)までご連絡ください。

KaTid®評価ツールは時間処理能力と日常の時間管理について客観的に評価できるツールで、その特徴として以下の3つが挙げられます。a)日常生活におけるさまざまな活動に関する長さなど時間の感覚を測定することを目的とした時間認知の項目が含まれている、b)ICF(WHO 2007)で定義されている時間見当識と時間管理の概念の項目が含まれている、c)時間処理能力を1つの概念として評価できることです(1-5)。

KaTid®評価ツールのマニュアルには、全体的な評価の進め方、各質問項目の正確な提示の仕方、採点方法などが詳細に記載されています。また、身体障害のある方に使用する場合など、対象者に合わせた適応方法についても説明されています。

KaTid ®評価ツールの妥当性は、5~10歳の定型発達児(n=144)(3)と注意欠陥多動症、自閉スペクトラム症、知的障害のある子ども(n=118)(4)を対象にした研究にて検証されています。その結果、KaTid®評価ツールの結果と保護者記入の日常の時間管理の質問紙(Time-P)の結果には、有意な相関があることが示されました(4, 5)。KaTid®-Youthの妥当性は、5~12歳の定型発達児(n=140)を対象とした研究で検証されました(2)。KaTid®評価ツール・KaTid®-Youthともに、障害のある子どもや青年を対象としたランダム化比較試験(RCT)による研究でも使用されており、定型発達児者との比較なども実施されています(8-10)。

KaTid®-Seniorは、認知症高齢者への介入を評価する研究での評価指標として使用され、心理学的評価として有効な指標であることが示されています(Persson et al 2022a)。また、KaTid®-Seniorの評価結果は認知症のレベルと関連していることも示されました(Persson et al 2022b)。他言語へも翻訳さており、KaTid®-Seniorの異文化適応の調査では、インドの高齢者を対象とした研究が発表されています(Puthran et al, 2023)。


The Time-P

Time-P:日々の時間管理を評価します。Time-P 5-10は、5歳から10歳の子どもが対象で療育者記入の質問紙となります。質問項目はラッシュ分析結果に基づきが妥当性が検証され、心理学的評価として有効な指標であることが分かっています。10歳から17歳の子どもを対象としたTime-P 10-17もあり、Wennbergら(2018)によるRCT研究で介入の効果検証に用いられました。

Time-Proxy:認知症のある方の介護者のデータを用いて検証されています(Persson et al 2002a)。


The Time-S

Time-S:日々の時間管理についての自己評価式質問紙です。10~15歳の子どもを対象とした妥当性の検証では、心理学的評価として有効な指標であることが示されています(13)。また、成人用のTime-Sも心理学的評価として有効な指標であることが示されています (12)。

高齢者向けのTime-S Seniorは、認知症高齢者への介入を評価する研究で妥当性が示され、心理学的評価として有効な指標であることが示されています(Persson et al 2002a). また、Puthranら(2023)は、認知機能に低下のあるインド人高齢者と低下のないインド人高齢者を対象とした研究の中で、Time-S Seniorの異文化適応についても報告しています。


KaTid®には、以下の英語版があります:

KaTid®-Child 19b

対象;5~10歳児

評価項目:時間処理能力

KaTid®-Child 2.0英語版は、2024年晩秋よりウェブアプリとしてデジタル版で提供される予定です。

KaTid®-Youth 19cおよびKaTid®-Youth 2.0

対象:10~15歳

評価項目:時間処理能力

KaTid®-Youth 2.0英語版は現在評価ツールの信頼性・妥当性検証中で、アナログ版とデジタル版(ウェブアプリ)が提供される予定です。

KaTid®-Adult

対象;軽度または中度の知的障害を持つ成人

評価項目:時間処理能力

詳細はお問い合わせください。

KaTid®-Senior

対象:認知症などの認知機能障害を持つ成人

評価項目:時間処理能力

Ver. 2はいくつかの研究で効果検証に用いられました。2024年秋にはKaTid®-Senior 3.0英語版がリリースされる予定です。


日常の時間管理を評価するための質問用紙:
Time-P

Time-Pには以下の種類があります:

Time-P 5~10歳用、療育者評価

Time-P 10~17歳用、療育者評価

Time-P 療育者(代理)評価

Time-S

Time-Sには以下の種類があります:

Time-S 10~17歳用、自己評価

Time-S Adult  自己評価

Time-S Senior、自己評価


To use the KaTid® instrument, you need to take a KaTid® course.